カテゴリー「最近聴いた音楽」の55件の記事

2008年3月17日 (月)

ヒラリー・ハーン/ノセダ/BBCフィルのコンサート(みなとみらいホール)

またもや遠出して、コンサートを聴きに行って来ました。

ジャナンドレア・ノセダ指揮 BBCフィルハーモニック管弦楽団

2008年3月16日(日) 15:00 横浜みなとみらいホール

グリンカ 歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲

シベリウス ヴァイオリン協奏曲ニ短調 (ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン)

ストラヴィンスキー バレエ音楽「妖精の口づけ」よりディヴェルティメント

チャイコフスキー 幻想的序曲「ロメオとジュリエット」

とにかく、ヒラリー・ハーンが良かった! 音色の清冽さ、純度の高さ(高音・弱音のクリアさ)。揺るがない技巧(余裕! この年で貫禄たっぷり)。叙情性は抑制されていて、あくまでも曲の本質に語らせようとするかのような誠実な演奏でした。第三楽章はかなり速いスピードに感じましたが、技術的な問題は何もなし。圧巻でした。アンコールでバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータからソナタ第3番ラルゴ。

ちなみに、この日の模様を書いておられるブログを幾つか読みましたが、私の感想はそれに付け加えることがあまりないかも。ハーン絶賛、ノセダはともかく、というのが(他の日の演奏も含めて)この公演を聴いたブログ評の多くのようです。

ノセダはゲルギエフも認めた注目株、ということらしいです。とにかく激しい指揮ぶりでした。「ルスランとリュドミラ」はムラヴィンスキーの圧倒的な演奏が頭にあって、どんな演奏を聴いてももどかしい感じがしてしまいます。BBCフィルはダイナミクスのレンジが広くない印象もして、後半のストラヴィンスキー(これは馴染みがない曲でもありました。新古典時代なので耳に優しくはあるのですが。最後唐突に幕切れする印象。)、チャイコフスキーとも、ちょっともどかしい気も。帰りの時間が気になって、アンコールは聴けず。

まあでも、ハーンは凄かった。考えてみれば一流のヴァイオリニストのソロを生で聴いたのは初めてでした。やっぱり圧倒的ですね。無理して行って良かったです。

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2008年2月24日 (日)

山陰フィル 第34回定期

地元のアマオケ、山陰フィルハーモニー管弦楽団のコンサートに行ってきました。

勿論、プロオケと同じ基準で評価しようなどという気はありません。仕事を持ちながら、あるいは人数も不足して客演も多い中で、ここまでの完成度は素晴らしい。正直、そんなに期待していなかったので、大いに楽しめました。指揮は今岡正治。

プログラムはまずはシベリウスの「フィンランディア」。全ての楽曲について言えるのですが、テンポ設定が総じてもったりしている感があり、その中でも音楽が流れていればいいのですが、拍や音符がやや見え過ぎる感じはしました。とは言え、個々の楽器はしっかりしているし、強奏時の鳴りも申し分なし。プロオケよりも奏者の息遣いが聞こえてくるという意味で、臨場感を体感しました。

続いてシベリウスのヴァイオリン協奏曲。ソリストはウィーン国立音楽大学大学院在学中という、地元出身の吉田美里。第1楽章冒頭から、情感たっぷりに歌い出す。テクニックは十分。ただし、終楽章はやや技巧的に手こずっていた感じもなきにしも。また、ちょっと音程が甘いところが散見。でも見事なステージでした。

メインはベルリオーズの「幻想交響曲」。やや苦手だったこの曲ですが、ミュンシュ/パリ管の名盤を1週間予習して、何となく好きになってきたところです。この曲はやはり実演が面白いのかな。第3楽章のイングリッシュホルンとオーボエ、ティンパニ4人など。個人的には第4楽章だけは前から好きだったのですが(悪趣味?)、今回のコンサートでもこれはきびきびとしたテンポで進み、かなりの好演。しかし、難を言えば、各パートが独立し過ぎていて、巧く溶け合っていない感じが全体を通してありました。

アンコールはソリストも入って、(多分)ピアソラで終結。

会場(プラバホール)はほぼ満席。地域に愛されているんだなあ、と感じた次第。アマオケもいいもんですね。また聴きに行くと思います。

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2008年2月20日 (水)

チョン・キョンファ/ケンペのブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番

先週は日本のトップ・オケを聴きに行ったわけですが、この週末は、地元のアマオケのコンサートを聴きに行きます。

で、また予習をしております。シベリウスのヴァイオリン協奏曲を聴こうと、チョン・キョンファ/プレヴィン盤をiPodに入れました。かなり以前に買ったCDで、何度も聴いているため、シベコンはこのイメージがかなり強くて。。。勿論ここまでのものは期待せずに行こうと思っていますが。

で、カップリングしてあるブルッフの第1番。これも名曲ですね。改めて聴いてみて、シベリウス含めチョン・キョンファのコンチェルト録音の中でも、これはかなり完成度の高いものだなあ、と改めて感じました。

チョン・キョンファのヴァイオリンは「見得を切る」感じがします。決め所を、彼女ならではの情熱的で凝縮度の高い表現で、必ず「決める」。このヴァイオリニズムは、好みが分かれるところなのかもしれない。私も何度も繰り返し聴くのは、濃すぎて難しいのですが、嫌いではないです。そして、シベリウスではいささかカラ回っている部分もあるように思うのですが、このブルッフでは見事に決まっている気がします。

私は、第1楽章5分55秒からの、オケの弦の上昇する跳躍の繰り返しの部分が好きです。実にロマン派的な部分? 単純ですね。で、その後のカデンツァをチョン・キョンファ、見事に決めています。

第2楽章はヴァイオリンがたゆとうようにたっぷりと歌う。ロマン派ど真ん中。

この演奏は、ルドルフ・ケンペ指揮ロイヤル・フィルのバックも充実。第3楽章などでもオケだけになったとき、独奏者に負けじと張り合う感じ。燃えている気がします。コンチェルトはこうでなくてはいけません。

チョン・キョンファは激しい部分でもあくまで美音。このパッションと音のクリアさが両立するのはさすがです。

図らずもチョン姉弟を続けて聴いていますね。そう言えば、チェリストのチョン・ミョンファは健在なのでしょうか。

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2008年2月17日 (日)

N響定期 チョン・ミュンフンのマーラー第9番

昨日、かなり奮発して、東京までコンサートを聴きに行って来ました。

第1614回N響定期公演Cプログラム。チョン・ミュンフン指揮で、メシアンの「忘れられたささげもの」とマーラーの交響曲第9番。

まず、NHKホール自体、初体験。原宿駅から思ったより遠い。しかも開演の3時ぎりぎりになってしまったので、代々木体育館の横をひた走ってホールへ到着。

で、NHKホールは座席が狭い。歴史のあるホールだからでしょうか。また、ちと暖房が効き過ぎ。眠くなってしまいそうでした。私は汗もかいているので、ちと居心地悪い中で、マエストロが登場、メシアンが始まります。

今年はメシアンのメモリアル・イヤー(生誕100年)とのこと。私は「トゥーランガリラ」と「幼子イエス~」くらいしか聴いたことがありませんでした。この「忘れられたささげもの」は10分ちょっとの短い曲。弦のうねりが続いているかと思うと、突如激しい音楽になって、私はここで飛び上がってしまいました。最後は再び緩やかに終結します。

休憩(トイレの行列に並びました)の後、マーラー。バルビローリ/BPOで予習をしてきましたが、その時には気付かなかった副旋律的なものが良く聴こえてきて、チョン・ミュンフンの構成感の良さを感じました。また、最弱音の繊細さが美しかった。チェロのソロも良かった。第3楽章の迫力も楽しかった。でも、何だか違和感を感じること(特に管。粗かった?)がなくもなかったです。会場はブラボーの嵐。マエストロは丁寧にオケのメンバーを拍手に応えさせていました。

実演を聴いて改めて思いましたが、この曲の最終楽章などはもう音楽というよりは音による遺書という感じですね。こういうものをコンサートホールで、多くの人が一緒に粛然として聴くというのは、とても奇妙なことのようにも感じます。

マーラーも暗譜で指揮したチョン・ミュンフンの棒は、表現したいことが明瞭なものに見えました。

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2008年2月 4日 (月)

プーランク ピアノと管楽器のための六重奏曲(プレヴィン他)

レコ芸誌のレコード・アカデミー賞を読んで、受賞ディスクの中から珍しく国内新譜を2組買いました。

一つはブーレーズのマーラー8番。これはこれで強烈な印象を受けていますが、また別の機会に譲りたいと思います。

もう一つがこのプレヴィン他の室内楽曲集。プーランク、ミヨー、サン=サーンスというフランスの3人の作曲家の三者三様の室内楽が、ピアノのプレヴィンを中心としたメンバーで収録されています。

プーランクは去年初めて知った作曲家の中で最も好きになった人。このピアノと管楽器のための六重奏曲も、ル・サージュ(p)他のアルバムに収まっていて、大好きでした。ル・サージュらのアンサンブルが溌剌として奏者の丁々発止のようなものが感じられたのに対し、プレヴィンらのそれは、いい意味でまとまっている。難しそうなパッセージでも磐石の安定感があり、しかも音楽本来の魅力が存分に引き出されています。一つ一つの音がクリアに絡み合っていて(って、変な表現ですが)、これぞ室内楽、という感じがします。

ミヨーは初めて聴く作曲家。編成はピアノと弦楽四重奏。第1曲は普通な感じなのに、第2曲フーガからジャジーで粋な音楽になる。この第2曲は強烈に好きです。そして第4曲スケルツォ、第5曲フィナーレとこれまたお洒落で素敵な音楽。ちょっとクラシックじゃないのかもしれないし、プーランクほどの音楽的な充実度までは感じない気がするのですが、いい音楽です。もっといろいろ聴いてみたいと思いました。

サン=サーンスはピアノと弦楽五重奏(四重奏+コンバス)にトランペットが入った構成。なのでやはりトランペットが活躍している印象。サン=サーンスの音楽は固有の色がないような気がしていて、例えばこの曲の3曲目はブラームスのようにも聴こえますし、4曲目はモーツァルトのようにも聴こえる。いずれにしても、これも素敵な小品です。

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2008年1月31日 (木)

カラヤンのプッチーニ「蝶々夫人」

年明けから去年の話ばかりしていましたが、今年に入ってからも(私にとっての)新譜をいろいろ聴いています。

この前の日曜に聴いたのはカラヤンの「蝶々夫人」。名高いこのオペラをちゃんと聴いたのは初めてでした。

でありながら、この盤は決定盤なのだろうな、という確信を持って聴いた次第。理由1、フレーニの蝶々さんの完璧さ。この人は何を歌わせても素晴らしいですが、役に幅があり、全編出ずっぱりの(よって、このタイトルロールで全て決まってしまう)蝶々さんをこれだけ完璧にこなすのは、古今東西この人以外に考えられない気がします。

理由2、脇を固める歌手陣。パヴァロッティのピンカートン、ルートヴィヒのスズキ、ロバート・カーンズのシャープレスと、隙がない。特にカーンズの恰幅のある領事はぴったり。

理由3、オケがウィーン・フィル&合唱がウィーン国立歌劇場合唱団。これらもプッチーニの豊穣な音楽を余すところなく表現しています。

理由4、それらにも関わらず、カラヤンがこのオペラを完璧に掌中で操っているところ。フレーニを初めとする最高の歌手陣が、それぞれベストの歌唱を展開しながら、それらがまるで一つの楽器に過ぎないかのように音楽の中に組み込んでいる、これを同時に実現しているカラヤンの操縦術には全く感心しました。

ああ、でも、このオペラ、どうにも好きになれなかった。思うに日本人にはかえってハードルの高いオペラではないでしょうか。使われている日本由来の音楽に違和感があるということもあります。それ以前に、アメリカの軽薄な男にだまされて形ばかりの結婚をして子供を産んだが、男はさっさとアメリカに帰って結婚していて、その上子供を取られて最後には自殺してしまう結婚当時15歳の日本の少女、というお話はどうにもやるせない。

そして、対訳付きのオペラ全曲盤は高い。(勿論、オペラの公演も高い。)これも何とかしてほしいですね。

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2008年1月14日 (月)

遅ればせながら ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート2008

録画しておいたウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートを、やっと観ることができました。

シュトラウス・ファミリーの音楽は、私にとっては常に聴きたい音楽というわけではないですが、年の初めにはいいですね。お屠蘇をやりながら聴きたかった。

指揮はジョルジュ・プレートル、83歳。私の中ではオペラ指揮者のイメージがあったことと、カラスとの共演盤など、「往年の」という(誤った)認識があったため、意外な感じがしていました。

矍鑠(かくしゃく)とした、と言うか、好々爺のような、と言うか、プレートルはとにかく楽しそうな指揮ぶり。全て暗譜、曲によって指揮棒を持ったり置いたりしながら、指揮をしていました。一曲終わるごとに客席に向ける笑顔が何とも言えずチャーミング。指揮ぶりは非常に動きが少なく、オケに委ねて自然な流れを作っていたかと思うと、歳を忘れさせるような激しい動きもしてみたり。

曲は国際色豊かなものの方が印象に残りました。ヨハン・シュトラウスⅡ世の「ロシア行進曲」、ヨハン・シュトラウスⅠ世の「中国人のギャロップ」など。第一部終盤の「『天国と地獄』のカドリーユ」(子ヨハン)は大いに盛り上がって吉。そして、アンコールではヨゼフ・シュトラウスの「スポーツ・ポルカ」、プレートルが笛を吹いたりイエローカードを出したり、コンマスがレッド・カードを出したりという趣向。それから子ヨハンの「美しき青きドナウ」、父ヨハンの「ラデツキー行進曲」といういつものお約束。この2曲は本当に名曲ですね。いい気分です。プレートルの人柄の良さも相俟って、いいニューイヤー・コンサートでした。

すでにブログのネタとしては賞味期限切れでしたが。。。数あるニューイヤーのブログ記事の中で一番、ためになったもの Zauberfloeteさんのブログ↓

http://zauberfloete.at.webry.info/200801/article_1.html

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2008年1月 3日 (木)

ベルリン・フィル ジルヴェスター・コンサート 2007

本日、自宅に戻り、DVDレコーダーに録っておいたジルヴェスターを観ました。(妻のために買ったDVDレコーダー、これって凄い文明の利器! って、まだ10%も使いこなせてないと思いますが。)

指揮は音楽監督、サイモン・ラトル。曲目は、ロシア・プロで、

  • ボロディン 歌劇「イーゴリ公」から「だったん人の踊り」
  • 同 交響曲第2番
  • ムソルグスキー(リムスキー・コルサコフ編) 歌劇「ホヴァンシチーナ」から前奏曲(モスクワ川の夜明け)
  • 同(ラヴェル編) 組曲「展覧会の絵」

全曲聴き馴染みのある曲だったので楽しく聴きました。特にボロディンの2番は大好きな曲。

ベルリン・フィルは肉弾戦が強い。ロシア物にぴったりの印象。ラトルの指揮に民族的な匂いは当然ないが、決然とした中に凝縮した濃厚な音色が聴こえてくる。例えば、ボロディン2番の冒頭や、「展覧会」の「バーバ・ヤーガ」。いやあ、いい演奏でした。アンコールはショスタコのバレエ組曲「黄金時代」から「ダンス」。

明日はニューイヤーが観れるかな。

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2007年12月31日 (月)

リヒターの「マタイ受難曲」

本年最後に聴いたクラシック音楽です。

58年盤。今年買ったCDの中で一番の「名曲名盤」と言えると思いますが、何分長大な宗教曲が苦手なもので、ちゃんと聴くことなく過ぎてしまいました。年末で里帰りして、時間もあるので、昨日から2日掛かりで聴きました。年末に相応しい曲ではないでしょうか。

イエスの受難というキリスト教最大の事件を、ドラマティックに語り出すJ.S.バッハの傑作。エヴァンゲリストが語る進行形のドラマと、コラールで歌われるそれを受けた「我々」の「現在」の受容とが交錯していく構成。

リヒターはゆっくりとしたテンポを基調にしながら、この曲が内包する劇性を見事に描き出しています。合唱は、時に深遠に、時に憤激し、リヒターの音楽に忠実に寄り添っています。ミュンヘン・バッハ合唱団、素晴らしい。

ソリストも最高。エヴァンゲリストのヘフリガー(今年逝去した忘れ得ぬ音楽家の一人)はその高潔さが心に沁みます。フィッシャー=ディースカウも言うまでもなくいい。しかし、それ以上に素晴らしいのが、イエス役のバス、キート・エンゲンとアルトのヘルタ・テッパー。エンゲンは威厳があるも深過ぎない歌声で、イエスを終始落ち着いて演じています。テッパーは知らない人でしたが、彼女の癖のない柔らかな声、完璧な技巧、そして自然な感情の発露は心洗われるものでした。

ペテロの否み、そしてイエスの死とその後の奇跡の様子は、クラシック音楽の数々の名シーンの中でも最高の瞬間ではないでしょうか。

さて、今年も残りわずかとなりました。2007年の回顧は新年の記事に譲りたいと思いますが、拙ブログをお読みいただいた皆様、どうもありがとうございました。2008年も変わりませず、宜しくお願いいたします。

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2007年12月30日 (日)

バーンスタイン/ウィーン・フィルのベートーヴェン「第九」

ベタではありますが、季節ものということで、今日は「第九」を聴きました。

ベタではありますが、「第九」は好きなもので、所有枚数も最多です(と言っても11枚ほどですが)。その中で一番好きなのは、バーンスタインがウィーン・フィルを指揮した79年のライヴ盤。

ちなみに、今までこのブログでCDの感想を書くときは、必ず最近買ったものから書いていましたが、これはずっと以前(多分大学時代)に買ったものです。

バーンスタインは、まず外形の彫琢が巧い指揮者だと思っています。解釈の深みという観点から言うとどうなのかよく分かりませんが、どの曲を振ってもその曲が持つ、生理的な部分に与える効果を存分に発揮させることに長けていると思います。スポーティと言ってもいいかもしれない。

そしてこれはライヴということもあり、VPOがノッテいる。オケの高揚感がそのまま伝わってくる感じがします。

第1楽章の冒頭、全オケが入って崩落するところ、息遣いの聞こえてくるような熱さがあります。第2楽章も乱舞する音楽でドライヴ感が気持ちいい。第3楽章はこの上なく美しいAdagio。実は「第九」の要諦はこの第三楽章だ、みたいな言説をよく聞くことがあって、私は最初この楽章がそんなに好きでなかったもので、どうしてだろうか、と不思議に思っていましたが、今聴いてみると、素直にその美しさが自分の中に入ってきました。息の長い天上的な音楽。

第4楽章ではこれら3つの楽章が一つずつ否定されます。「そんな調べではだめなのだ」というわけです。これは今更ながら、すごいアイデアだなあ、と思います。今までの自己否定をした上で、あの単純な(しかし決して歌として優れているという気はしないのだが)メロディが流れます。そりゃ、今まで長々とスケールの大きな音楽を聴かされてきた側としては、シンプルな歌の方が良く聴こえるというものでしょう。これを最初に思いついたベートーヴェンはやはり偉大だと思います。

低弦による否定のレチタティーヴォは本当に喋っているかのように表情力豊か。

ソロはギネス・ジョーンズ、ハンナ・シュヴァルツ、ルネ・コロ、クルト・モル。男声2人は私の大好きな歌い手。両ソロも十分。

とにかく熱い演奏です。でありながら、「第九」につきものの大層なお題目はさておき、この曲の純音楽的な部分をクリアに見せている演奏でもあり、それが何度聴いても飽きない理由だと思っています。

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2007年12月22日 (土)

ファビオ・ルイージの激しさに

昨夜のNHK音楽祭の放送から。ちらちら聴いていました。

前半はネルロ・サンティ指揮N響のオペラの合唱音楽を中心とした一夜の模様。新国立劇場合唱団はなかなかの実力を持っているように思いましたが、如何せん言葉が日本語に聞こえてしまう。

後半はファビオ・ルイージ指揮シュターツカペレ・ドレスデンのドイツ・オペラ。ルイージの指揮ぶりが凄まじく激しい。これは観ているだけでその世界に没入してしまいそう。「ワルキューレ」の冒頭の弦の凄烈さ。うちの古いテレビでもシュターツカペレ・ドレスデンの音の良さは伝わってくるようでした。歌手陣ではクルト・リドルがさすがの名唱。

貴重なライヴの模様を視聴することができて感謝ですが、それにしてもこの番組の変な作り方(インタヴュー時のバックとか、ゲストの鼎談時の環境とか、拍手のカットとか)はどうなんでしょうか。

NHK音楽祭_ファビオ・ルイージ

http://www.nhk-p.co.jp/concert/ongakusai/profile.html#02

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2007年12月15日 (土)

NHK音楽祭でのゲルギエフ

11月のゲルギエフの公演については、5回にわたって熱く語ってしまったわけですが、↓

生ゲルギエフを聴いてきた(1)

その翌日に行われたNHKホールでの公演の様子を昨夜NHK教育で流していました。

私は目が悪いので分かりませんでしたが、妻はオケのメンバーを見て、「あ、この人いた」としきりに騒いでおりました。

心なしかゲルギエフが出雲の時より張り切っていたような気もしましたが、気のせいでしょうか。

諸石幸生氏が、若いメンバーが育っていると言っていましたが、確かにコンマス初め、若そうな人たちがたくさんいて、今後のこのオケの展開が楽しみなように感じました。

続けてクリストフ・エッシェンバッハが指揮したパリ管でしたがゲルギエフの途中でダウン。私、就寝時間が早いのです。

来週はネルロ・サンティ指揮のN響、ファビオ・ルイージ指揮のシュターツカペレ・ドレスデンの放送があります。時間が合えば聴きたいです。

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2007年12月 5日 (水)

プーランク フルートとピアノのためのソナタ(ドュフール、ル・サージュ)

昨日に続いてフルートの記事です。

ピアノのル・サージュ他の、プーランクの室内楽全曲とピアノ・コンチェルト(1台、2台)合わせて3CD。これ、HMVでは室内楽2CD、コンチェルト1CDでも発売されているのですが、3枚にまとまったBOXの方が全然安い。BOXと言っても中にそれぞれのCDケースが入っていて、後から一まとめにしただけでした。3CDを探して買うべきです。

プーランクは実は初めてちゃんと聴きましたが、どの曲もとてもチャーミングで、正に20世紀フランスのモーツァルトという感じ。フランス物は苦手なのですが、これはすっかり気に入りました。印象的なフレーズが次々と湧いてきて、下手をするとそれらの散発的なパッチワークになりかねないところを、ギリギリのセンスで免れているとでも言うべきでしょうか。「城館への招待」(クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのトリオ)などは逆にそのパッチワーク性を活かしている曲ですね。

さて、このフルートとピアノのためのソナタ、第1楽章は烈しく印象的なメロディから始まります。下降して、一転上昇するフルートの速いパッセージは、この楽器ならではの憂いと俊敏さが集約されている感じです。続く第2楽章は、これまたこの楽器らしい緩やかで息の長い主題。第3楽章は打って変わって明るく軽快な音楽。フルートの魅力が短い時間で堪能できる曲です。

プーランクの室内楽は管楽器のためのものが多いですが、楽器の特性を実によく活かした作品ばかりです。そう言えば、「のだめカンタービレ」でのだめ、黒木くん、ポール(「ヤキトリオ」)が演奏したオーボエ、ファゴット、ピアノのトリオもあります。これも実にユニーク。

当盤では各演奏者も技術的にハイレベルなだけでなく、室内楽の喜びに満ちた充実した演奏を披露してくれています。

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2007年12月 1日 (土)

ニコル・マット指揮ヨーロッパ室内合唱団のブラームス「愛の歌」

本日はこればかり聴いています。

ブラームスの合唱曲コンプリート。ブリリアントの8枚組超お買い得BOXです。まだ、1枚目(「愛の歌」「新・愛の歌」)しか聴いていませんが、これは当たりでした。

実はこの“Libeslieder”は、この中の何曲かを歌ったことがある、もともと愛着が深い曲です。今まではガーディナー盤を聴いていましたが、当盤はそれに全く劣らない充実した演奏でした。

ヨーロッパ室内合唱団は、よくある、整っているけど声の力を感じないスカスカした合唱ではなく、各声部が明確に主張する深く濃い音を作っています。声楽は声の力を聴かせてナンボ、と思っているので、この演奏は実に私好み。完全無欠な演奏とは言えませんが、ブラームスのチャーミングな小曲集を躍動感たっぷりに聴かせてくれます。

ディクションがいい。詩のニュアンスが実に活きています。ソロの曲の各ソリストも大層立派。クレジットがないのですが、ピアニストも実に的確で好ましい。

ブラームスはシンフォニーも室内楽も好きですが、合唱もいいです。「愛の歌」は、ワルツという枠の中でよくもこれだけ多彩でユニークな曲を作れるものだと感心します。渋面でなく茶目っ気たっぷりなブラームス、という感じ。「愛の歌」の6番のチャーミングさなどは、シンフォニーでしかブラームスを聴かない人には是非聴いて欲しいです。

で、本当はこれらは歌った方が楽しい。器楽でのブラームスはどうか分かりませんが、この「愛の歌」は一曲一曲が短いし、とりあえず歌うのに難度が高過ぎる、ということはありません。ブラームスはアマチュア女声合唱団の指揮者をしていたこともあり、合唱というものは身近な形態だったのだと思います。

またいつか歌ってみたい曲です。

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2007年11月23日 (金)

オッターのシューマン「女の愛と生涯」

最近は「カルメン」のタイトル・ロールを歌った録音を出したりしているアンネ・ソフィー・フォン・オッター。

オッターは私にとっては、何となくオクタヴィアンのイメージが強いのですが、この歌曲集はまさに女性の歌。男性が望む貞淑な妻の歌、と言った方がいいかもしれません。詩は40歳近くになってから16歳の少女と結婚したという、アーデルベルト・フォン・シャミッソーが書いたもの。シューマンもクララとの結婚はすんなり決まったわけではなく、二人の男性の極めて現実的な願いを込められた歌曲集と言えるかもしれませんね。

さて、オッターの歌唱は一つ一つのフレーズの細かいニュアンスまで計算されているような極めて知的なもの。曲ごと、フレーズごとに微妙に表情が異なる。少しやり過ぎの感もなくはないですが、やっていることは実に妥当だし、彼女の場合は声の魅力にも優れているので、聴き辛くなることはありません。第1曲の秘めたときめき、第5曲の爆発的な喜び、第8曲の憂い、どれもが真実味をもって迫ってきます。

シューマンの歌曲につきものの、雄弁なピアノはフォシュベリが品良く聴かせてくれます。全体として、何度聴いても飽きの来ない、魅力的な演奏になっていると思います。

それにしても、この詩、妻にも読んで聞かせたいですな。特に前半部分。

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2007年11月18日 (日)

生ゲルギエフを聴いてきた(5)

興奮醒めやらぬ中、預けていた娘(10ヶ月)を迎えに行きます。

娘はケロッとした表情。父母を見ても嬉しそうな顔一つせず。

「とってもいい子でしたよ。育てやすい子だね」だって。他の子のおもちゃも手にして、自由に遊んでいたようです。

何だか拍子抜けした、初託児でありました。

ホールを出ると、大きなバスの周りに大きな外国人達がたくさん居てびっくり。マリインスキーのオケのメンバーでした。翌日(今日)は午後3時からNHKホール、休む間もなく移動のようです。なかなか大変な日程です。ゲルギエフを探しましたが、見当たらず。(まあ、別便かな。)

妻も思いの外、楽しんでくれたみたいで、いい休日となりました。やっぱり生で聴くオーケストラはいいです。しかも指揮者もオケも最高でしたので、またとない経験となりました。しばらくCDは聴けないか? (実際、今日は聴いていません。)

これからも、ちょっと機会があればコンサートを聴きに行きたい、と思った秋の一日でした。

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生ゲルギエフを聴いてきた(4)

ステージごとに振り返ってみます。

「白鳥の湖」では、ハープのソロに魅了されました。コンマスの歌いっぷりも見事。バレエの情景が目に浮かんでくるかのような音風景。チェロの主席も含め、一人一人の力量を感じました。

続いてはプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」。お馴染みの「モンタギュー家とキャピュレット家」から始まりますが、低弦と金管の響きが凄まじい。そしてスネアドラムの強靭さ。以降、弱音はどこまでも艶やかで、強奏は地響きを聴くかのような、こちらも完璧なステージ。

さて、コンサート会場には小腹を満たすものは準備してある、という私の誤った情報を信じた妻は、このステージの静寂の中でお腹を鳴らす失態(?)。休憩時間になると、娘の様子を見に行くのを止めにして、Toppoを買ってポリポリ食して、腹を誤魔化します。私はのんびり、地元名産のワインのロゼを、一杯500円で頂きます。と、結構量があって、5分前のアナウンスに慌てて一気飲み。慣れぬ夫婦でありました。

ロビーは田舎ならではなのか、そこかしこに知り合い同士が顔を合わせて、ちょっとしたサロン状態。多分、この市民会館ができて以来の賑やかさではなかったでしょうか。

さて、ラストステージは「春の祭典」。このコンビによるハルサイはCDを持っていました(キーロフ時代ですが)。そのCDでは、冒頭ややあざといかな、などと思って聴いていたのですが、当夜の印象はこれもスマート。それでいて響きはどこまでもアグレッシブ。ティンパニの強打、弦の粒の立ち具合、木管の滑らかさ、そしてフルヴォリュームでの眩暈のするような音の大伽藍。最高でした。

こんな中、隣のご年配の知人はコックリやっておられましたが。。。まあ、いろんな人がいました。ハルサイの間、ずっと頭でリズムを取っていた白髪の男性。そしてこの曲が終わるや否や帽子を振り回して「Bravo」を叫んだ男性。これらも音盤ライフでは味わえない醍醐味なのかな?

会場は拍手の嵐。アンコール1曲目は、ゲルギエフが「・・・チャイコフスキー、アダージオ」と言ってたようでしたが、私は恥ずかしながら馴染みのない曲でした。三大バレエの中の一曲かな? チェロの豊かなメロディに始まる人懐っこい一品。いいです。

アンコール2曲目は、これもチャイコ。「くるみ割り人形」から「トレパーク」。指揮者は中央に辿り着くや否やタクトを振り下ろし、壮絶なスピード、一糸乱れぬアンサンブル、高揚のうちに終わって拍手喝采。いやあ、幸せでした。

また長くなりました。娘を迎えに行った様子は次の記事で。

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生ゲルギエフを聴いてきた(3)

オーケストラの楽器配置には詳しくないのですが、マリインスキー歌劇場管弦楽団の当夜の配置は次のような感じでした。

向かって左側、第一ヴァイオリンの奥にコントラバス(この配置がちょっと意外に感じました。)、右側、手前からヴィオラ、チェロで、その背後にハープとピアノ(でもピアノって使ってないような・・・)、管は通常通りの配置で、最後方にパーカッションが一列に並びます。

団員が出て来るのを拍手で迎え、チューニング。(久々にこれを生で聴きましたが、なんか妙な瞬間ですよね。)そして、いよいよゲルギエフが登場。黒のタキシードが長身細身な身体にピタリとフィットしていて、不思議と格好いい。遠距離なうえ近眼なので、御尊顔はよく拝せず。そして、拍手が鳴り止まぬうちにくるりと背中を向けさっとタクトを振り始めます。これも格好いい。

ゲルギエフの指揮はオーソドックスと言うより、むしろ穏やか過ぎる印象。右手のタクトが小さ目に正確な拍を刻み、左手の動きもほとんどない。時折、斜め前方(左右とも)にグッと踏み出て音を求める以外は、極めて静かで折り目正しい指揮姿でした。

それなのに、何であんな凄い演奏が生まれてくるんだろう! 会場の悪さをものともせず、マリインスキー歌劇場管弦楽団は最高の音楽を聴かせてくれました。

最初は「白鳥の湖」より抜粋。有名過ぎる「情景(Scene)」から始まります。実は立ち上がり、ホールの響きがあまりにもデッドなので、ちょっと心配になります。しかし、強奏した時の音の威力は凄まじく、まさに咆哮という感じ。それでいて全く割れ目がない。一転、全休止した時には聴き手の身体に一種の浮揚感、そして最弱音での細やかな音色の襞。いや、生オケはいいですね。

当たり前かもしれませんが、強弱記号のfやpの数が見えるようなダイナミクスのレンジの広さと正確性は完全でした。また、完全と言えば、ライヴであることを忘れてしまうような、全く粗のない演奏。リズムの正確性、バランスの良さ、歌、響き、全てがパーフェクトでした。途中から心身ともにゲルギエフに委ね、この時間がずっと続けば、と願うほどでした。

ロシアのオケらしい、濃厚な味わいは、ここぞ、というところにあった感じですが、どちらかというと颯爽と駆けていく印象。ゲルギエフの指揮姿と相俟って、清冽で高潔なイメージ。それでいて音は凄い。鳴らしても鳴らしてもまだ出てくる感じ。そして音が汚くならない。西洋楽器は素晴らしい発明品だということなのでしょうか。

ちょっと興奮し過ぎでしょうか。実際、感激したもので。長くなったので、次の記事に続きます。

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生ゲルギエフを聴いてきた(2)

実は、生でオーケストラを聴くのは13年ぶりであります。

それは、大学生の時、94年のロリン・マゼール/フィルハーモニア管のベートーヴェン・ツィクルスの1公演。大阪フェスティバルホールで6番、7番を聴いたのでした。(アンコールは「エグモント」序曲でした。)この時、何を思って一人でマゼール(そんなに好きなわけではなかった)を聴きに行ったのか、今では思い出せないのですが、ともかく、そんなに心動かされなかったようで、それ以来、クラシックのコンサート自体にほとんど足を運んでいません。(今は田舎に住んでいる、という事情もあります。)

そして、この秋。こんな田舎にゲルギエフが来るとは! 生オケに距離を置いていたけれど、こんな機会はめったにないし、何よりゲルギエフは現役で一番聴きたい指揮者でした。妻も背中を押してくれ、ついでに自分も聴きたい、という話になり、妻の初生クラシック&娘(10ヶ月)の初託児という我が家の一大イベントになってしまいました。

(すみません、なかなか本題に入れませんが。。。)この夜の一番の難題は娘をどうするか、という問題でした。時間距離2時間の妻の実家に預けるか、会場で臨時に設置される託児所に預けるか。見知らぬ保育士さんに預けて、泣き喚いたりしないものか、心配ではありましたが、結局後者を選択。娘の好きなおもちゃを持って出発。娘は普段と違うもの(母親がいい格好をして化粧までしているところ?)を感じたのか、出掛ける前は怪訝げな様子でした。

会場の出雲市民会館には開場の45分前くらいに到着し、駐車場を確保。娘は車内で寝ていたので、開場まで寝かせておき、18時15分の開場時、受付で託児所の場所を訊き、娘を預けに行きます。普段は展示室になっているらしいそのガランとした部屋には、4、5人の保育士さんと既に預けられている子供達が、十分広く敷かれた「ござ」の上に座っていました。娘の晩御飯をあげ、近くにいた姉弟に「お姉ちゃん、お兄ちゃん、お願いね」と頼み、部屋を出ます。娘は既に子供達の遊び相手になっていて、父母に見向きもしませんし泣きもしません。ホッとしつつも寂しいような気も。

ホールの席は1、2階の区別のない形で、我々の席は後ろから3列目ほぼ中央。隣にご年配の知人が偶然座っておられました。席は最前方左右端部分を除いてほぼ満席かな? 大して広いホールではありませんが。

長くなりましたので、記事を改めて、演奏の感想など。

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2007年11月17日 (土)

生ゲルギエフを聴いてきた(1)

本日、聴いてまいりました。

マリインスキー歌劇場管弦楽団

芸術監督・首席指揮者:ワレリー・ゲルギエフ

チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」より

プロコフィエフ:バレエ組曲「ロメオとジュリエット」

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」

まだ興奮醒めやらぬところです。

ちょっと落ち着いてから、書いていこうと思います。

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2007年11月14日 (水)

イタリアSQのシューベルト弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」

今日は、朝の通勤時からこの曲を聴いていました。現世から遊離し過ぎているでしょうか。

シューベルトの音楽は、時として冗長に感じたりもしますが、この曲は最初に聴いた時(東京SQ盤)から強烈なインパクトがあり、すぐ好きになりました。そして本盤は、これも大好きなイタリアSQの演奏。楽しみにして聴きました。

第1楽章、冒頭から強烈でドラマティックな音楽。イタリアSQはむしろ抑え気味に立ち上がっているような気がします。外形的な激しさはありませんが、内面から激情が迸っているような演奏。メカニックではないかもしれないけれども、実に安定しています。

第2楽章は天国的なヴァリエーション。第1ヴァイオリンがよく歌っています。

第3楽章、リズミカルなこの楽章では、当カルテットの音の瑞々しさを再確認できる気がします。女性が一人入っているからなんでしょうか、本当にイタリアSQの音は、他のカルテットの音とは違う気がします。

第4楽章でも歯切れのよい演奏を聴かせてくれます。この楽章では表面的にも烈しい表現になっていて、4人とも乗りに乗っている印象。フィナーレまで胸のすくような演奏です。

シューベルトの「Last Four Quartets」として2枚組で出ている輸入版でした。

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2007年11月 4日 (日)

ヒラリー・ハーンのストラヴィンスキー・ヴァイオリン協奏曲

CDショップで衝動買いした1枚。ブラームスとのカップリングです。ネヴィル・マリナー指揮、アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズの伴奏。ちなみにこのアルバムはグラミー賞を取ったらしいです。

ストラヴィンスキーのどの時代の作品かも分からず買ったのですが、どうやら新古典主義時代のものらしいですね。耳に優しい音楽でまずは安心。

各楽章が同じ特徴的な和音で始まるこの曲。第1楽章「トッカータ」は愉快な楽章。ヴァイオリンの切れの良さが心地よい。第2楽章「アリアⅠ」はゆったりと歌うかと思いきや縷々転々とする捉えどころのない音楽。第3楽章「アリアⅡ」は仕切り直しのように切ない歌。ハーンのヴァイオリンは太くはないけど一音一音充実していて、美音です。第4楽章「カプリッチョ」は軽快なリズムに乗って踊り出すかのような曲。マリナーのバックも乗っている。小粒だけど的を射た演奏と言う感じ。

ストラヴィンスキーのこの曲は、ライナーノーツでハーン自身が語っているように、あまりメジャーではないかもしれないですが、ユニークな小品でした。

ちなみにブラームスも良かったです。ハーンはテクニックも一流だし、どんな速いパッセージでも音に密度があって、いいヴァイオリニストだと思います。

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2007年11月 3日 (土)

フルトヴェングラーの「田園」(ウィーンpo、1952)

EMIのBEST100の1枚となってこの秋再発売されたもの。言わずと知れた名盤でしょうか。

第1楽章冒頭から、お馴染みのテーマのあまりの遅さに驚きます。なんとものどかな感興ですが、弦の合奏が強奏になる前にフルトヴェングラーらしいアッチェレランドがかかり、このテンポが計算されたものであったことが分かります。全体的には恰幅のある落ち着いた「田園」ですが、フレーズごとにテンポが微妙に変わる魔術のような演奏で、最初に聴いたときは違和感を覚えましたが、聴き込んでいくごとに嵌って来ました。

ゆったりとした音楽の中で、全編、ウィーンフィルの弦と木管がひときわ美しく鳴っています。オケが楽しそう。第3楽章の楽しさは格別で、低弦が雄弁に朗らかに歌っています。第4楽章の嵐の激しさ。その後の晴れ間の清々しさも格別です。

現代のトレンドからすると、いかにも大時代的な演奏かもしれません。また、ところどころ揃っていないところもあるのですが、それを補って余りある魅力があります。今日は何度もこれを聴いていました。

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2007年10月27日 (土)

ブラームス・ホルン三重奏曲(オルヴァル、グリュミオー、シェベック)

久しぶりに、聴いていて心の底から幸せになれるような曲・演奏に会いました。最近こればかり聴いています。

このアルバム(ブラームスのトリオ集。ボザール・トリオ他)自体は少し前から持っていたのですが、埋もれてしまっていました。iPodに入れて聴き直して、初めて魅力に気付きました。

ライナーによれば、ブラームスは少年時代、ホルンを吹いてよく母親を慰めていたそうです。この曲は、ホルンという楽器の魅力が堪能できる、小品ながら傑作だと思います。

この楽器の音色、どことなく遥かな憧れを常に歌っているように聴こえます。3つの楽器の組み合わせも実に良くて、ホルンがピアノの伴奏(この編成だとどうしても伴奏的になっている気がします)に乗っているとき、またヴァイオリンと掛け合っているとき、この楽器の魅力が増幅されて伝わってくる気がします。

第1楽章はまさに憧れを歌うような叙情的な曲。第2楽章は軽快なスケルツォ。第3楽章Adagio mestoはまた一転して儚く陰りのある音楽。第4楽章はホルンの音色が輝かしい華やかなフィナーレとなります。

全く知らなかったフランシス・オルヴァルのホルンは、音色と言い、息遣いと言い、実に素晴らしい。大家グリュミオーも勿論いいし、ピアノのシェベックも安定しています。ピタリとはまった感じのアンサンブルで、実に気持ちいいです。

それにしても、ブラームスの室内楽は面白いですね。秋にはぴったりでしょうか。

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2007年10月21日 (日)

アンゲロフのドヴォルザーク・交響曲第8番

イヴァン・アンゲロフ指揮スロヴァキア放送交響楽団による、ドヴォルザーク交響曲全集の超激安盤。私がHMVで買ったときは5枚組1300円くらいでした。(今は倍くらいになっているよう。)

2001年から2004年までのごく最近の録音。この第8番だけはライヴ録音のようです。

全くノーマークの演奏家でしたが、音盤への的確なコメントが素晴らしい、mozart1889さんのブログ(↓)で高評価でしたので、間違いないと思って聴きました。

http://www.doblog.com/weblog/myblog/41717/2623238#2623238

本当にいい演奏でした。確かに弦が艶やかでよく歌っています。弦だけでなく、木管、金管、ティンパニもいい。主旋律に対して各セクションが明瞭に浮き立ってきて、立体感があるのはアンゲロフの力量か録音の巧さでしょうか。

このオケ、決して上手くはないとは思いますが、ライヴとは言え傷はなく、逆に第9番などの方がオケの粗さが目立つ気がしました。この8番は作品同様すっきりとまとまっている印象です。

人懐っこいこの曲、土の香りがぷんと漂うドヴォルザークらしさ、とても好きです。他の曲もゆっくり聴いていこうと思います。

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2007年10月14日 (日)

アンネローゼ・シュミットのモーツァルト・ピアノ協奏曲第20番

今日は、暇があればこのボックス・セットを聴いていました。

モーツァルトのピアノ協奏曲全集10枚組。旧東独の女流ピアニスト、アンネローゼ・シュミットとクルト・マズア/ドレスデンフィルのコンビです。これで3000円弱というお買い得でした。

モーツァルトは短調が好きです。ピアノコンチェルトの中ではこの20番が好きです。両端楽章の凄烈さ、間に挟まれた第2楽章の夢見心地、何度聴いても飽きません。(長調の曲はたまに飽きるのは、私の至らなさでしょうか。)

シュミットは硬質でクリアなピアニズム。よく研磨された珠の如き音色がします。下手な抒情に流されない辛口の演奏で、時として冷た過ぎる感も無きにしもあらずですが、私はこういう音楽が好きです。

マズアのバックはソリストほどの完成度はないかもしれませんが、十分なサポートと思います。

まだ、全部の曲を聴くことができてないので、また暇を見つけて楽しんでいきます。

安田裕隆さんのサイトに、シュミットが弾いたこの曲の、より詳細な紹介があります↓

http://www.h3.dion.ne.jp/~yasuda/bqcla/lp/oc7305k.htm

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2007年10月13日 (土)

バス・テューバ協奏曲(ヴォーン・ウィリアムズ)

世の中には、こんな協奏曲もあるのか、と興味本位で買った1枚。

演奏はプレヴィン指揮ロンドン響で、ソリストは首席奏者のジョン・フレッチャーという人。

第1楽章はちょっとアジアンテイスト(?)なスケルツォ。テューバがよく歌うのでびっくりします。高音や速いパッセージなども、言われなければホルンかと思うような印象。

第2楽章は一転して風景画。よく歌う音楽。テューバのメロディが素敵です。Andante sostenutoをもう少し歌わせてもいいかな、という気がしますが、プレヴィンは快速。きびきびとした演奏です。

第3楽章は激しく楽しいフィナーレ。この楽器ならではの陽気さでしょうか。フレッチャーの技も見事の一語です。カデンツァの後にやや素っ気なく終結します。

小曲ですが、いい音楽。この作曲家らしい佳作です。交響曲第5番とのカップリングの国内盤。お薦めいたします。

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2007年10月 5日 (金)

パユ/ラトルのニールセン・フルート協奏曲

珍しく新譜からの紹介です。とは言っても私が買ったのは輸入盤ですが。

エマニュエル・パユは初めて聴きましたが、とにかく巧いです。トリルが凄いというような表面的なこともそうですが、フルートがこんなにも多彩な色を出せるものだということを、初めて知った気がします。息遣いが直に伝わる楽器だけに、感興たっぷりな演奏を堪能できます。

ラトル/BPOのコンビも実は初めて聴いたのではないかと思いますが、切り口が鮮明で、すっきりしたいい音楽作りだと思います。

ニールセンのフルート協奏曲は2楽章編成。主役もバックも息もつかせぬ展開を見せ、とても印象的で、単調さとは正反対の曲です。フルートとティンパニ、あるいはトロンボーンとの掛け合いが面白い。大仰な協奏曲ではないですが、小粒ながらキラリと光る音楽だと思います。

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2007年10月 1日 (月)

ブラームス・ピアノ四重奏曲第3番(バリリSQ、デムス)

「ウェルテル四重奏曲」とも呼ばれるこの暗い曲を、最近通勤時に繰り返し聴いているのも、どうかという気がしますが。。。しかも56年のモノラル盤。渋すぎるでしょうか。

第1楽章冒頭はピアノの一撃から始まり、葬送を感じさせるような序奏。一転して慟哭のような激しい音楽が始まります。その後、幾度か晴れ間を見せながら、基調は変わらぬまま終結します。

第2楽章スケルツォの冒頭もピアノの強烈なタッチから開始。リズミカルで烈しく、どこか物悲しい楽章です。

第3楽章はチェロの、いつ終わるとも知れないような、憂いを帯びた旋律から始まり、ヴァイオリンとヴィオラに引き継がれます。各声部が交錯しながら一つの歌が紡がれていくこの楽章が、特に印象深いです。

第4楽章も音楽の波がせめぎ合うかのような峻烈な楽章。ラストはちょっと呆気ない終結です。

ブラームスの音楽に共通する要素は私にも何となく感じ取れていて、この曲、いかにもブラームス的だと思いますが、その中でも、いつもよりやや溜め息が多めな曲と言えるでしょうか。

デムスのピアノの煌きと、バリリSQ団員の弦の懐の深さが魅力の演奏。録音はさすがに霞がかかっているような感じは受けますが、十分楽しめる音質です。

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2007年9月23日 (日)

カイルベルトの「ジークフリート」

昨日、所属している合唱団の地区大会があり、バスで片道5時間の遠征をしてきました。

このときとばかりに聴いたのが、ワーグナーの「ジークフリート」。先般から購入している一連のシリーズで、ヨーゼフ・カイルベルト指揮のライヴ盤です。

バスに揺られながらだったので、正直、それほど集中して聴けなかったし、第一幕の鍛冶の音は耳に辛いものがありました。でも、充実した時間を過ごせました。

「ラインの黄金」では端役だったミーメが狂言回し的に活躍しますが、パウル・クーエンの歌はちょっと弱いかな。しかし、後の主役級のメンバーは最高です。ヴィントガッセンのジークフリート、ホッターのさすらい人、ナイトリンガーのアルベリヒ、グラインドルのファフナー、いずれも素晴らしい声と演技の競演で、それぞれの掛け合いにわくわくさせられました。

ジークフリートとブリュンヒルデの邂逅の前の音楽は、ワーグナーの音楽の最も美しい瞬間の一つではないでしょうか。そして、ヴァルナイのブリュンヒルデが登場。一声で、それまでの主役級の男声陣を凌駕してしまうような、圧倒的な歌声です。やはりヴァルナイは凄い、と改めて思いました。

それにしても、実にダイナミックで荒唐無稽とも思えるようなシナリオですが、これを成立させているワーグナーのテキストと音楽は素晴らしいと思います。

ところで、大会の方ですが、ここで行き止まりとなりました。また来年に向け頑張ります。

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2007年9月20日 (木)

ボロディンSQ他のチャイコフスキー・弦楽六重奏曲「フィレンツェの想い出」

今日はこれを聴きました。

全編、チャイコフスキーらしいゴージャスな感じがするのは、弦6人という厚さのせいでもあるのでしょうか。

当演奏は、ボロディン四重奏団にヴィオラ、チェロの二人が加わったもの。音の一つ一つに充実感があり、歌うところはじっくりと歌い、風格を感じます。とは言いながら、各楽章の疾走感には事欠きません。

第1楽章は反語的(?)に始まる感じ。音楽の波が攻め寄せつつ一段落。第2楽章はこの作曲家ならではのロマンティシズムに溢れた音楽。第3楽章はメランコリックな主題が印象的です。ここが一番好きかな。第4楽章は舞曲風の華やかなフィナーレ。加速し、凝集しながらラストを迎えます。

ライナーを見ると、作曲家自身、苦労せず楽しんで書いた、と言っているとのことですが、納得できます。メロディ或いはリズムから、とてもチャーミングな印象を受けます。室内楽の楽しさを堪能できる曲であり、演奏だと思います。

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2007年9月18日 (火)

アンセルメのドリーブ「シルヴィア」(抜粋)

今日は、通勤の往復でこれを聴いて、気に入って今も聴いています。

有名な「コッペリア」(抜粋)に従属しているように収められていますが、この「シルヴィア」の方が好きになりました。

全3幕のうちの4曲しか入っていませんが、どれも楽しんで聴くことができます。勇壮に始まり、その後のホルンのメロディが壮快な「前奏曲『狩りの女神』」、のどかな「間奏曲とゆるやかなワルツ」、とってもチャーミングな「ピッツィカート」、行進曲風に始まり前奏曲が再現される「バッカスの行列」。

ちなみに、Wikipediaでこのバレエのあらすじを読んだのですが、正直言ってよく分からない。何でこういうもののストーリーって荒唐無稽な印象がするのでしょう。

アンセルメはバレエ音楽が得意とは知っていますが、(あまりバレエ音楽を聴き比べしていないので)正直、どこが優れているのかよく分かってはいません。でも、彼の棒による演奏はキラキラとした色彩感に満ちているような気はします。

Wikipedia(「シルヴィア」)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%A2_%28%E3%83%90%E3%83%AC%E3%82%A8%29

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2007年9月16日 (日)

ブラウ/アマデウスSQのモーツァルト・フルート四重奏曲

フルート四重奏曲4曲とオーボエ四重奏曲のカップリング。管楽器はそれぞれベルリン・フィルの首席だったというアンドレアス・ブラウとローター・コッホ。弦3人はアマデウス弦楽四重奏団から。

どうでもいいですが、こういうとき、ヴァイオリンは第1ヴァイオリンの人が出てくるのですね。第1が管に替わっていると考えれば第2が出た方が自然かな、と思ったりしたのですが。(そういうことじゃないのかな?)

そんなことはともかく、このモーツァルト、特にフルートの4曲を好んで聴いています。ブラウのフルートは堅実で安心して聴けるもの。音色も伸びやかで、清々しい印象です。

アマデウスの3人は、弦楽四重奏のときよりも引いた位置で演奏しているようにも聴こえます。どちらかというと、各楽器が対等に渡り合うというより、3人がサポートに回っている感じ。

それにしてもモーツァルトの音楽は、弛緩したり止まったりすることがないなあ、と思います。全てのフレーズがつながっており、必然的に音楽が紡ぎだされていく感じ。造作もないようなところが、まさに天才の音楽だよなあ、と感じます。

最近よくこれを聴いていて、今日も娘を風呂に入れながらかけていたのですが、娘のご機嫌芳しくなく、全く聴いてくれている様子もなく、泣き喚きながら引き取られていきました。私は一人、湯船に残って、再びモーツァルトの世界に浸ったのでした。

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2007年9月 9日 (日)

ザ・ラスト・ナイト・オブ・ザ・プロムス 2007

ネットラジオでプロムスのラスト・ナイトを聴いています。オケは勿論BBC交響楽団、指揮は同オケの主席指揮者のイルジー・ビエロフラーヴェク(初めて名前を聞きました)。ラストの方でたどたどしく喋っているのが彼なんでしょうか。

最初はドヴォルザークの序曲「オテロ」なんていう、チェコ出身のビエロフラーヴェクとシェイクスピアの国・イギリスとを繋ぐかのような堅い選曲。ここから、ラストに向けて温度を徐々に上げていきます。

前半の締めは、アンナ・ネトレプコのベッリーニ「夢遊病の女」より。ネトレプコは初めてちゃんと聴きましたが、正直、魅了されました。人気だけではないんですね。

インターバルの間に、ネット上のプログラムに載っていない曲がいっぱい流れる(ロイヤル・アルバート・ホール以外の会場のもの?)のですが、英語がさっぱり分からないので曲名が分からない。どなたかお分かりの方、ご教授ください。

ネトレプコは後半でも大層会場を盛り上げています。視覚情報がないので何が行われているのか全く見えてこないのが残念。

で、エルガーの「威風堂々」第1番以降は本当にお祭りムード。音楽もおめでたそうな曲ばかりで、聴いていて楽しいです(しかも飽きずに繰り返すし)。まあ、こういうのもたまにはいいものです。

ラスト・ナイト(BBC)

http://www.bbc.co.uk/proms/2007/lastnight/

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2007年9月 5日 (水)

小澤/ベルリンpo/晋友会の「カルミナ・ブラーナ」

ミーハーと言われるかも知れませんが、カール・オルフの「カルミナ・ブラーナ」が大好きです。

数枚しか持っていませんが、中ではやはりヨッフム盤が最高です。作曲者自らが監修したという肩書きを語るまでもなく、生命力の漲った圧倒的な演奏です(ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団は迫力満点だし、とにかく上手い!)。

ただ、1点、ソプラノのヤノヴィッツだけが好きになれません。彼女がベスト・フォームだったら文句なしの10点満点なのですが。で、この点を補う名演を探している感じです。

今聴いている、小澤征爾がベルリンフィルを指揮したディスクは、大学生の頃に友人に借りて、ソプラノのグルベローヴァの美しさに大層感激した一枚。10年経って、もう一度聴きたくなって買いました。

当時は「合唱(関谷晋指揮・晋友会合唱団)が薄いなあ」と感じていました(あくまでもアマチュア合唱団なので)が、聴き直してみると存外立派。音量、ピッチ、リズム等、技術的には完璧と思います。ただ、少年合唱団と比べると、発音がやはり日本語だなあ、という気もします。

独唱陣は、ジョン・エイラーは同曲のテノール・ソロのお手本。ハンプソンは少し味付けが濃いように思いますが、巧いのは確か。グルベローヴァは今聴くと、一人だけリズム感(拍の感じ方)が小澤とずれている(というか自由にやっている)気がします。他がぴったりなだけに余計目立って聴こえるんですよね。これは彼女の癖かなあ。

しかし、彼女の「Dulcissime,~」の独唱部分は、さすがにコロラトゥーラの至芸の一つであり、他に真似できない素晴らしい瞬間だと思います。

まあ、いろいろ文句も書いていますが、この一枚、案外愛聴盤になりそうな気がしています。

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2007年9月 2日 (日)

プロムスより~ゲルギエフのチャイコフスキー「ロメオとジュリエット」など

遠くで行われているプロムスを、手軽にネットで聴けるのは幸せですね。

ゲルギエフ/ロンドン響のチャイコフスキー幻想序曲「ロメオとジュリエット」。鮮烈な演奏だけど、やや空回り気味かな? でもこの曲好きになりました。

マリス・ヤンソンス/バイエルン放送響のR.シュトラウス「ツァラトゥストラ」。立ち上がりこそ不安だったけど、優美な部分はたっぷり歌い、美味。

プロムス on Radio

http://www.bbc.co.uk/proms/2007/promsbroadcast/radio/

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レーゼルのラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番

mozart1889さんのブログで取り上げられていまして、コメントを寄せられる皆さんも含めた評価の高さと価格の安さに思わず購入してしまった、ペーター・レーゼルのピアノ協奏曲、10枚組ボックスセット。

昨日、例の如くHMVから届いて、早速聴いてみています。まずはラフマニノフの2番。

レーゼルは全くと言っていいほど名前を聞かないピアニストですが、そのことが不思議なくらい立派な演奏です。

技術はかなり高い。音の一つ一つの粒立ちがよく、乱れることがありません。嵌るべきところに嵌っている感じ。

全体の印象として、ロマンティシズムや高揚感と言ったものを極力廃したような演奏で、淡々としてはいますが、品格と誠実さを感じます。見せ掛けの抒情ではない、揺らがない芯のようなものがあるピアニズムだと思います。

ザンデルリンク/ベルリン響のバックも格調高いです。このボックスセットでは他にもいろいろな指揮者と共演していますが、ザンデルリンクとレーゼルの美質がここでは上手く合致して、崇高と言ってもいいような音世界が繰り広げられています。

しかし、何でこの人、あまり名前を聞かないのでしょうか。もっと認知されていいと思います。情報通りのいい演奏でした。

mozar1889さんのブログ(「クラシック音楽のひとりごと」)の該当記事のページ

http://www.doblog.com/weblog/myblog/41717/2623166#2623166

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2007年8月27日 (月)

「ツァラトゥストラはかく語りき」カラヤン旧盤

少し前に、印象主義は苦手だと書きましたが、リヒャルト・シュトラウスも同じような意味合いで、苦手意識があります。

でも、「ツァラトゥストラ」だけは不思議と最近好きになってきて、いろいろな盤を買って比較したりしています。それに連れて他の曲も面白いと思えるようになってきました。

今持っているのは(購入順に)ライナー、ブーレーズ、ショルティ(いずれもシカゴ響)、カラヤン73年盤(ベルリンpo)の4枚です。

ライナーは最近聴いていないのですが、ブーレーズはどうも面白くなかった。これはレコード芸術9月号に相場ひろ氏が書いておられる通りだと思います。ショルティはサクサク行き過ぎな感じがします。

今のところのベストはカラヤンの73年盤です。音量のレンジも凄いですが、音楽的な表現も聴いている側からすると「そう来ないとね」、というジャストフィット感があります。冒頭の「2001年」のテーマ(?)の鳴らし方、続く部分のテンポ感なども絶妙です。それと光彩陸離たる音の煌きが実に素晴らしい。

カラヤンの晩年の音楽とは相性が悪いので、カラヤン新盤は多分合わないと思います。よって、これが私の中では同曲のベストになりそうです。

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2007年8月24日 (金)

アマデウスSQのヴェルディ・弦楽四重奏曲

ヴェルディに弦楽四重奏曲があること自体、最近まで知りませんでした。知ってから早速、HMVで探して購入してしまいました。

このアルバムはアマデウスSQの第一ヴァイオリニスト、ノーバート・ブレイニンの追悼盤として出されたもの。ブルックナーの弦楽五重奏曲なるものも入ったりしています。

さて、ヴェルディ。「アイーダ」の後に余暇を使って書かれたというこの曲は、さすがに熟練の音楽だと思います。

第一楽章は印象的な物悲しい主題で始まり、劇的な表情の中、時に晴れ間が見えたりします。この劇性はヴェルディらしいかな。第二楽章はリズムの特徴的なゆったりとしたメロディ。アマデウスの持ち味の流麗さが活きている感じ。第三楽章プレスティッシモは鮮烈な音楽。ブレイニンの巧さが際立ちます。第四楽章もヴェルディらしい劇性を見せるフィナーレです。

全体として、ヴェルディの明晰で弛緩のないドラマティックな音楽に、アマデウスSQの豊麗な音作りがマッチしていると思います。幸せな気分になれますね。いい演奏です。

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2007年8月17日 (金)

ゲルギエフのバラキレフ「イスラメイ」(リャプノフ編)

何だか呪文のようなタイトルになってしまいましたが。。。

大作よりも、短い小品の方がマッチしている指揮者がいるように思います。

ゲルギエフはまさにそういう指揮者ではないか、という気がします。

このディスクのメインであるリムスキー=コルサコフの「シェエラザード」も、ストラヴィンスキーの「ハルサイ」も、少し「あざとい」気がするのは私だけでしょうか(嫌いじゃないんですけど)。

しかし、「イスラメイ」のような、派手で短いオーケストラピースを巧く聴かせてくれるのは、ゲルギエフの技だと思います。

ピアノの原曲は知りませんが、バラキレフの弟子リャプノフの手によるこの管弦楽曲版は音響効果抜群。それが存分に活きた演奏になっています。

実はこの秋、ゲルギエフ/マリインスキー歌劇場管弦楽団の実演を聴く機会があります。プログラムはオール・ロシア物。今からとても楽しみです。

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2007年8月16日 (木)

メロスSQのラヴェル・弦楽四重奏曲

グラモフォン・ザ・ベスト1000の中の1枚。ドビュッシーと併録。

私は、古典派からロマン派初期を経てブラームスあたりまでが好きです。印象主義ってどうも不得手です(美術も含めて)。自由過ぎるのが苦手なようです。

しかし、弦楽四重奏曲というのは、スタイルが形式を求めるのか、結構すんなり耳に入ってきました。

実は、室内楽を面白いと思えるようになったのはごく最近ですが、特に弦楽四重奏はどの時代、どの地域のものも面白いです。有名無名にかかわらず、いろいろ聴いてみたいと思っています。

さて、ラヴェルの弦楽四重奏曲。正装した第一楽章に続く、第二楽章がお気に入りです。ピッツィカートで奏されるキャッチーなメロディーは、宮崎駿のアニメにでも使えそう(変な感想でしょうか)。それに続くしっとりとした第三楽章、乱舞したりメランコリックになったりする第四楽章もいいです。

メロスSQの演奏は初めて聴きましたが、大変技術力が高く、音色もクリーン。あまり名盤本で名前は出てきませんが、いいカルテットだと思います。

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2007年8月13日 (月)

ポリーニのストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」

ポリーニは大好きなピアニストの一人です。

芸術は技術の上に成り立つものだと思いますが、ポリーニはその技術に甘えがない。徹底的に鍛え抜かれたピアニズムにただただ圧倒されます。

「ペトルーシュカ」はショパンのエチュードと並んで、そんなポリーニの美質が活きた、最高の演奏だと思います。

冒頭から、全く濁りのない珠のような美音がリズムに踊ります。ピアノという楽器を見事に鳴らし切るテクニックは凄まじい。かと言って一辺倒な音楽ではなく、凛とした情感が溢れていて、何度聴いても飽きません。

個人的には、ポリーニとアルゲリッチによって、ピアノってこういうものなのか、と教えられている気がします。

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2007年8月 8日 (水)

ラフマニノフ自作自演のピアノ協奏曲第2番

バックはストコフスキー/フィラデルフィア管です。

録音が1929年なので音質はそれなり。

ラフマニノフが弾く自作はさぞロマンティシズムに溢れたものだろう、と思いきや、冒頭の和音から全然ねちっこさはなく、むしろすっきり流れていきます。第3楽章第2主題など、もっと甘くしそうなところですが、割とさくさく進んでいく。

アシュケナージ/ハイティンク盤を愛聴していましたが、アシュケナージ以上にスマートかも。

また、手が大きかったというヴィルトゥオーゾの特長の分厚い和音(左手がしっかりしている)が心地よいです。

ストコフスキーも情感たっぷりな部分とキビキビ進む部分が明確で、手厚いサポートです。

しかしこの曲、本当にいわゆる名曲ですね。甘いメロディに包まれて、退屈することがありません。

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2007年8月 5日 (日)

カイルベルトの「ラインの黄金」

55年の「指環」バイロイトライヴの第2弾(私にとって)です。今聴き終えて、大いに感じ入っています。

これらのディスクについては録音状態についていろいろ書かれているようですが、オーディオに全く拘っておらず、オペラは声だと思っている自分には十分な音質です。ただ、第3場のニーベルハイムがずっとノイジーなのはやはり気になります。

歌手はとにかくナイトリンガーのアルベリヒの存在感が凄い。声も歌も最高な上に、何とも憎々しげで哀れな役作り。ホッターのヴォータンも立派。ルドルフ・ルスティヒのローゲも巧いです。

カイルベルトの音楽作りも、よく統制されていて緩みがない。隙のない演奏だと思います。

しかし、ワーグナーの音楽の構成力は素晴らしい。神話などから材を取った、神々と小人と巨人の破天荒なストーリーを、圧倒的な音楽の力で説得力あるものにしている感じですね。

まだワーグナー初心者ですが、ハマリそうです。ただ、これらの長い音楽を集中して聴くための、まとまった時間がなかなか取れないのが悩みどころです。

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2007年7月31日 (火)

メータの「スター・ウォーズ」組曲

「クラシック不滅の名盤1000」の記事で「惑星」の悪口(?)を言っておきながら、載っていた同曲の名盤の一つを買ってしまった私です。

メータ/ロスpoの演奏。ただし、どちらかと言うと、カップリングされているジョン・ウィリアムズの「スター・ウォーズ」組曲が聴きたくて購入したのでした。

で、まず「惑星」が凄い。テューバが尋常でない鳴り方をしている。各声部がくっきりと聴こえてくる本当にクリアな演奏です。録音も相当いいのでしょうが。今までレヴァイン盤で満足していましたが、早速乗り換えです。

さて、肝心の「スター・ウォーズ」組曲。冒頭のメイン・テーマから胸躍る壮快な音楽です。やっぱりJ.ウィリアムズは天才だと思います。演奏も豪勢。「酒場のバンド」がフェード・アウトするのもご愛嬌ですね(クラシックコーナーで買った音盤では初めての経験です)。

ただ、とても不満なことがあります。それは、ダース・ヴェイダーのテーマ(帝国のテーマだっけ?)がこの組曲に含まれていないこと。メイン・テーマと同じくらい有名なこの曲を何故入れなかったのだろう。まあ、演奏会の演目としてはあまりにもダークだからかも知れませんが。。。

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2007年7月30日 (月)

フェルナンド・コレナのオペラ・アリア集~ロッシーニ他

私が、傾向は全く違いながら、デ・サーバタの「トスカ」とともにイタオペの双璧と思っている名盤は、モリナーリ=プラデッリの「運命の力」です。

主役の6人が揃いも揃って文句のつけようがないのですが、なかでもメリトーネ役のバッソ・ブッフォ、フェルナンド・コレナが大好きで、先月、輸入版のオペラ・アリア集を買いました(実はヴェルディはメリトーネにバリトンを想定していたらしいですが)。

最近これを繰り返し聴いています。何度聴いても飽きません。まず声がいい。ブッフォに最適な深くて明朗な美声。高音も楽々こなすし浅くならない。また、いいバスでもたまに出くわす音程のあやしさが全くない。ディクションも明瞭。早口も余裕。そして、表情が絶妙に変わります。

この盤、Vol.2になっているのですが、Vol.1はいくら探しても見当たりません。残念。

しかし、コレナのレポレッロ(「ドン・ジョヴァンニ」)が聴きたいなあ、とHMVを探していたら、「カタログの歌」を収めた別のアリア集が見つかりました。これは聴かねば。

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2007年7月22日 (日)

モートン・グールドのニールセン交響曲第2番「四つの気質」

妻に、全くその画面を見られていないのに、「また買ったの?」と言われ、どぎまぎして笑ってごまかした私です。

HMVでまた6組8枚買ってしまいました。何を買ったかは、またご報告します。

今日は、前回買ったCD。RCAクラシック・ライブラリー・セールの一枚。マルティノンのニールセン交響曲第4番「不滅」が目当てで買ったのですが、カップリングされている標記の曲を何度も聴いています。

モートン・グールドは全く知らなかったのですが、アメリカの指揮者兼ピアニスト兼作曲家(ピューリッツァー賞の音楽部門を取っている)とのこと。既に物故していますが、ポピュラーからクラシックにかけていろいろな曲を残しているようですね。

そんな彼がシカゴ響を爽快にドライヴしているこの曲。特にブラス部門の鳴りが気持ちいい。四つの気質はシュタイナーですよね。「胆汁質」「粘液質」「憂鬱質」「多血質」という標題に沿った音楽が色彩豊かに繰り広げられます。どの楽章も好きですが、やはり第一楽章が天然で気持ちいいかも。

ただし、自分は憂鬱質のような気もしますが。まあ、どんな音楽もいいものはいいです。

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2007年7月19日 (木)

アルバン・ベルクSQのベートーヴェン「ハープ」

最近のiPodnanoでのヘビーローテーションです。

タイトルの由来の愛らしい第一楽章、物憂げな第二楽章。それに続く第三楽章でこの曲は突如として変化します。

運命動機にも似たリズムが繰り返される鋭い第三楽章。アルバン・ベルクSQについて語ろうとすると、どうしても「機能的」という言葉が浮かびますが、その特長が十分に発揮されていると思います。

この第三楽章が好きで、何回も聴いています。

この楽章は第四楽章にそれとなくつながり、変奏曲となる第四楽章は様々な感興を経て、静かに終わります。この終結も面白い。全体として何とも妙味のある一曲です。

このディスクはシューベルトの弦楽五重奏曲(withシフ)と組み合わされているという風変わりな1枚で、そちらの方が目的で買ったのですが、もっぱらベートーヴェンを聴いています。このように思わぬ愛聴曲が増えるのも楽しいものです。

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2007年7月15日 (日)

ハイフェッツ/ピアティゴルスキーのブラームス ドッペル

昨日届いたCDのうちの1枚です。

ハイフェッツとライナー/シカゴ響のヴァイオリン協奏曲ももちろんいいのですが、ウォーレンスタイン指揮のヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲が抜群にいい。こういう演奏を聴くために音盤を漁っているんだよなあ、という気持ちにさせられました。

この曲はオイストラフ/ロストロポーヴィチ/セルで聴いていましたが、これが鷹揚とした風格のあるブラームスだったのに対し、ハイフェッツとピアティゴルスキーは、枯淡とは正反対のとってもヴィヴィッドなブラームス。

二人の息がぴったりなのが凄い。多分ピアティゴルスキーが巧く付けているのでしょうが、鮮烈なパッセージをまるで室内楽であるかのように寄り添って駆けて行く様は圧巻です。

もともとハイフェッツが大好きなのですが、また愛聴盤が増えました。それにしても、彼のヴァイオリンで曲を聴くと、他の演奏を聴く気がしなくなるのが困りものです。

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2007年7月 9日 (月)

デュ・プレのチェロ名曲集その2

愛聴盤になりつつあります。

小品集ながら随所にデュ・プレらしい激しさもありますね。フォーレの「エレジー」などは。シューマンもいいし、ファリャの「ホタ」も面白い。

デュ・プレの人生は決して幸福ではなかったかもしれないけれど、彼女の音楽を聴きながら通勤路の川端を歩いている私は、幸福な気持ちになります。

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2007年7月 8日 (日)

ピノックのバッハ・チェンバロ協奏曲集

土日でロングドライブをしたのですが、その時のBGMがこれでした。

チェンバロはカーステレオでも、下手をするとノートPCのスピーカでも聴くに耐え得ると思っている私の耳は腐っているでしょうか。

私には、J.S.バッハは、ロマン派の作曲家よりもドラマティックな音楽に聴こえます。このチェンバロ協奏曲集も耳に心地よいドラマティックなフレーズで彩られています。

私の好きなヴァイオリン協奏曲(二本の)が編曲されていたりするのも楽しいです。

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2007年7月 5日 (木)

デュ・プレのチェロ名曲集

先月から発売が始まったEMIクラシックス・ベスト100の1タイトルです。3:1キャンペーンもあるし、いろいろ買おうかと。

デュ・プレは最も好きなチェリストですが、このアルバムでも彼女らしい美音で聴かせてくれます。

小品集ということもあってか、コンチェルトで聴くような凝集された激情のようなものは感じられず、むしろ丁寧な音楽作りがされているように思います。

ところで、ワルキューレのところで書いたディクションのことですが、この私の好みは器楽奏者にも(あるいはオーケストラにも)当てはまるような気がします。

楽器のディクションというものがあるとしたらですが、私にはあるように思われます。そして、デュ・プレはディクションが明瞭。これはフレージングとは別のことです。

すごく簡単に言えば(弦楽器なら)ボウイングの押し出しの強さ、ということになるかもしれませんが、そう単純な話でもない気がします。

考えてみれば、私の好きな器楽奏者や指揮者全てに、このディクションの明瞭さということが当てはまる気がします。良し悪しではなく、単なる私の好みですが。

これについては、また改めて書こうと思います。

HMV

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2550474

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2007年7月 1日 (日)

カイルベルトの「ワルキューレ」その2

聴き通しました。いやあ、良かった。

とにかく歌手がいい。ブリュンヒルデのヴァルナイは惚れ惚れとするような声と歌いぶりです。ディクション(発音)がとてもいい。全ての言葉が聴き取れるのが凄い。なかなかこういうソプラノは聴いたことがない気がします。

このディクションの良さという点は、歌を聴く際はどうしても気になってしまうことです。例えばこのCDでもヴォータンのホッターは、発声の問題なのか言葉が聴き取りにくい。声の迫力は圧倒的なのに、そこだけがどうしても好きにはなれないところです。

歌手では他に、フンディングのグラインドルがいい。ジークムント(ヴィナイ)、ジークリンデ(ブラウエンスティン)の兄妹も。いかにこの時代のバイロイトが優れていたかが分かります。

このセットは繰り返し愛聴することになりそうです。「指環」の他の曲も、この55年盤で聴くことになりそう。

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ブラームス 2つのモテット作品74

私は合唱人(趣味で合唱をしている人をこう呼ぶ習慣がありました)でもありますが、今日はその関係でアマチュア合唱団のコンサートに行ってきました。

曲目はいろいろですが、私が個人的に楽しみにしていたのはブラームスの「2つのモテット」作品74。

ブラームスは好きなのですが、「ドイツ・レクイエム」はまだ好きになれない、というまたしても軟弱なクラシックファンではありますが、今日聴いた合唱曲は古典的な香りもしながら、「Warum?」という問いかけの繰り返しなどロマン派的、ブラームスらしい感じがします。

そのコンサートのパンフレットで知りましたが、ブラームスは聖書を全て暗記しているほどの敬虔なクリスチャンだったのですね。

この曲のテキスト、特に最初の「なにゆえ悩む者に光をたまわり」云々という部分は、私にとってはなかなか切実に感じられます。

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2007年6月30日 (土)

カイルベルトの「ワルキューレ」

今日、HMVから注文していた何点かのCDが届きました。

そのうちの一つに、去年レコード・アカデミー賞の大賞を獲得したという、ヨーゼフ・カイルベルト指揮の「ワルキューレ」(55年、バイロイト音楽祭でのライヴ録音、レコード・アカデミー賞は「ラインの黄金」「ジークフリート」も)があります。

時間が取れなかったので3幕冒頭の「ワルキューレの騎行」だけ聴こうとしたら、あまりの迫力につい惹き込まれてしまいました。ホー・ヨー・トー・ホー!

ワルキューレ達でさえ(?)声の威力が凄い。ブリュンヒルデのヴァルナイに至っては、という感じです。

実はワーグナーはあまり得意ではなくて、マイスタージンガーは大好きですがトリスタンには全然ついていけないという私です。「指環」も初めて買ったのですが、これははまりそうです。録音は、最初、年代並みかな、と思いましたが、声の迫力がとてもよく分かります(オケを聴きたい人には、ちょっと辛いかも。でも私には十分です)。

明日、じっくり聴こうと思います。

HMV

http://www.hmv.co.jp/product/detail/1258108

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