カラヤンのプッチーニ「蝶々夫人」
年明けから去年の話ばかりしていましたが、今年に入ってからも(私にとっての)新譜をいろいろ聴いています。
この前の日曜に聴いたのはカラヤンの「蝶々夫人」。名高いこのオペラをちゃんと聴いたのは初めてでした。
でありながら、この盤は決定盤なのだろうな、という確信を持って聴いた次第。理由1、フレーニの蝶々さんの完璧さ。この人は何を歌わせても素晴らしいですが、役に幅があり、全編出ずっぱりの(よって、このタイトルロールで全て決まってしまう)蝶々さんをこれだけ完璧にこなすのは、古今東西この人以外に考えられない気がします。
理由2、脇を固める歌手陣。パヴァロッティのピンカートン、ルートヴィヒのスズキ、ロバート・カーンズのシャープレスと、隙がない。特にカーンズの恰幅のある領事はぴったり。
理由3、オケがウィーン・フィル&合唱がウィーン国立歌劇場合唱団。これらもプッチーニの豊穣な音楽を余すところなく表現しています。
理由4、それらにも関わらず、カラヤンがこのオペラを完璧に掌中で操っているところ。フレーニを初めとする最高の歌手陣が、それぞれベストの歌唱を展開しながら、それらがまるで一つの楽器に過ぎないかのように音楽の中に組み込んでいる、これを同時に実現しているカラヤンの操縦術には全く感心しました。
ああ、でも、このオペラ、どうにも好きになれなかった。思うに日本人にはかえってハードルの高いオペラではないでしょうか。使われている日本由来の音楽に違和感があるということもあります。それ以前に、アメリカの軽薄な男にだまされて形ばかりの結婚をして子供を産んだが、男はさっさとアメリカに帰って結婚していて、その上子供を取られて最後には自殺してしまう結婚当時15歳の日本の少女、というお話はどうにもやるせない。
そして、対訳付きのオペラ全曲盤は高い。(勿論、オペラの公演も高い。)これも何とかしてほしいですね。
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