バーンスタイン/ウィーン・フィルのベートーヴェン「第九」
ベタではありますが、季節ものということで、今日は「第九」を聴きました。
ベタではありますが、「第九」は好きなもので、所有枚数も最多です(と言っても11枚ほどですが)。その中で一番好きなのは、バーンスタインがウィーン・フィルを指揮した79年のライヴ盤。
ちなみに、今までこのブログでCDの感想を書くときは、必ず最近買ったものから書いていましたが、これはずっと以前(多分大学時代)に買ったものです。
バーンスタインは、まず外形の彫琢が巧い指揮者だと思っています。解釈の深みという観点から言うとどうなのかよく分かりませんが、どの曲を振ってもその曲が持つ、生理的な部分に与える効果を存分に発揮させることに長けていると思います。スポーティと言ってもいいかもしれない。
そしてこれはライヴということもあり、VPOがノッテいる。オケの高揚感がそのまま伝わってくる感じがします。
第1楽章の冒頭、全オケが入って崩落するところ、息遣いの聞こえてくるような熱さがあります。第2楽章も乱舞する音楽でドライヴ感が気持ちいい。第3楽章はこの上なく美しいAdagio。実は「第九」の要諦はこの第三楽章だ、みたいな言説をよく聞くことがあって、私は最初この楽章がそんなに好きでなかったもので、どうしてだろうか、と不思議に思っていましたが、今聴いてみると、素直にその美しさが自分の中に入ってきました。息の長い天上的な音楽。
第4楽章ではこれら3つの楽章が一つずつ否定されます。「そんな調べではだめなのだ」というわけです。これは今更ながら、すごいアイデアだなあ、と思います。今までの自己否定をした上で、あの単純な(しかし決して歌として優れているという気はしないのだが)メロディが流れます。そりゃ、今まで長々とスケールの大きな音楽を聴かされてきた側としては、シンプルな歌の方が良く聴こえるというものでしょう。これを最初に思いついたベートーヴェンはやはり偉大だと思います。
低弦による否定のレチタティーヴォは本当に喋っているかのように表情力豊か。
ソロはギネス・ジョーンズ、ハンナ・シュヴァルツ、ルネ・コロ、クルト・モル。男声2人は私の大好きな歌い手。両ソロも十分。
とにかく熱い演奏です。でありながら、「第九」につきものの大層なお題目はさておき、この曲の純音楽的な部分をクリアに見せている演奏でもあり、それが何度聴いても飽きない理由だと思っています。
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コメント
バーンスタイン/VPOのベートーヴェン第九を聴いて、僕はクラシック音楽に目覚めました。大変懐かしい1枚です。
バーンスタインのベートーヴェン全集が発売される頃、このコンビでの実演の第九が放送されました。感激しました。世の中にこんなに素晴らしい音楽があるのかと、涙がこぼれました。
大学生の頃でした。この1枚を聴いて、クラシック音楽に親しむようになりました。かけがえのない演奏です。最も愛する第九です。
今も時々取り出しては聴いています。LPからCDになりましたが。
投稿: mozart1889 | 2007年12月30日 (日) 07時48分
mozart1889さん
こんにちは。コメントありがとうございます。
大切な一枚なのですね。確かにこの演奏は素晴らしいと思います。何度聴いても新鮮な感動を覚えます。私も一番好きな第九です。
投稿: すけ | 2007年12月30日 (日) 10時08分
私も先日レニーの第九を聴いていました。
LPレコード時代から聴いていますが、聴き飽きません。
年忘れ(?)にはいい演奏でしょうね。
投稿: ピースうさぎ | 2007年12月30日 (日) 15時34分
ピースうさぎさん
こんにちは。コメントありがとうございます。
レニーの良さがよく出ている名演だと思います。本当に、今年の心の汚れが落ちたような、スッキリした気持ちになりました。やっぱり年末に第九を聴くというのは、ベタではありますが、いいモンですね。
投稿: すけ | 2007年12月31日 (月) 12時46分